手動/自動ガスコントロールのセボフルラン消費量の比較
環境面と経済面の両面から、揮発性麻酔薬消費量を最小限に抑えることが求められています。生態系・経済性に対する懸念と麻酔薬の安定供給という相反する利害を一致させるため、新しいワークステーションに搭載された自動化ソフトウェアが、フレッシュガス流量(FGF)を継続的に最適化し、揮発性麻酔薬の消費量を最小限に抑えながら、要求された混合ガスを確実に得ることを可能にします。この研究の目的は、全ての患者で同じ 2 % の呼気終末目標濃度を設定し、異なるアプローチでセボフルランを投与した場合の動態と消費パターンを分析することです。Flow-i のセボフルラン消費パターンは、目標呼気終末セボフルラン濃度(Etsevo)2 % の症例でレトロスペクティブに研究されました。各設定について、25 症例が分析対象に含まれています。自動ガスコントロール(AGC)V4.4 では、速度設定 6、ソフトウェア V4.7 では速度設定 2 、FGF 2 L/分固定のグループが観察されました。45 分間で、2L-FGF 群では平均 14.5 mL、AGC V4.4 群では 7.1 mL、AGC V4.7 群では 6.0 mL を消費しました。最新の AGC V4.7 アルゴリズムは、古い AGC V4.4 アルゴリズムよりも高い効率を示しました。
この研究は、AGC 技術が、従来の FGF 設定と比較して、優れた安定性と利便性とともに、非常に大きな経済的・環境的利益もたらすものであり、支持されるべきであることを示しています。いわゆる「低流量麻酔」(例:FGF 2 L/ 分)を使用した日常的な臨床診療を取りやめるべきであり、揮発性麻酔剤による大気汚染を最小限に抑えるために、すべての麻酔器をできるだけ早く自動コントロール技術を備えたものにアップグレードする必要があります。